慢性副鼻腔炎の治療は、軽症の場合は薬物療法(抗生物質やマクロライド療法など)を行います。重症の場合や鼻茸がある場合などは手術が有効です。当院では、内視鏡下鼻副鼻腔手術や鼻中隔矯正術を局所麻酔下に日帰り手術で行っております。
慢性副鼻腔炎の手術
薬物治療での改善が不十分な場合や再発を繰り返す場合、また鼻茸がある場合などは手術治療がお勧めです。手術は安全で低侵襲(患者様の負担が少ない)な内視鏡を用いた手術(内視鏡下鼻副鼻腔手術)です。鼻中隔弯曲が副鼻腔炎や鼻閉の原因になっている場合には鼻中隔矯正術も併用します。アレルギー性鼻炎(花粉症)がある場合には下鼻甲介手術も同時に行うことにより、アレルギー性鼻炎の症状も軽減できます。
内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS:Endoscopic Sinus Surgery)
十分に局所麻酔を行い、内視鏡を挿入して鼻内をモニターに映しながら安全に手術を行います。痛みは軽微で手術中も会話ができます。出血の少ない低侵襲の手術を実施しております。手術時間は一側30分程度です。
鼻中隔弯曲矯正術
鼻づまりや嗅覚障害の原因となっている鼻中隔(左右の鼻腔を間にある境)の曲がっている部分の骨や軟骨を粘膜下に摘出します。また、鼻中隔弯曲が副鼻腔炎の原因になっている場合にも行います。手術は鼻内から行い顔を切開することはありません。鼻中隔そのものは残りますし鼻の外形には影響しません。
痛みは軽微ですが局所麻酔なので骨を摘出する音が聞こえます。手術時間は15~40分です。
内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(粘膜下下鼻甲介骨切除術)
鼻閉の改善を目的に、鼻中隔弯曲矯正術とセットで行われます。また、アレルギー性鼻炎に対する手術療法としても有効で、アレルギー性鼻炎の諸症状を軽減します。手術時間は一側15分程度です。
当院の手術の特徴
- 手術はすべて局所麻酔による日帰り手術です。
- 手術はもちろんですが、術前の診療や手術の説明、術後の診療・処置はすべて院長が責任を持って担当します。
- 術後の苦痛の原因となる鼻内挿入ガーゼを早期に抜去して、術後の辛さの期間を短くします。
- 局所麻酔なので多少の痛みが時々ありますが、手術中に痛みのために苦痛を訴える患者様はほとんどいらっしゃいません。
術前検査
CT検査、採血検査、心電図検査などを行います。
手術の説明
外来診療とは別に時間をとって、手術の適応・内容・合併症の可能性などについてご説明します。
手術当日
- 朝食は食べずに来院していいただきます。
- 局所麻酔:麻酔は鼻内スプレー⇒塗布麻酔⇒注射による麻酔。これらの局所麻酔で痛みはほとんどコントロールできます。多くの患者さんが、「歯科の抜歯よりも痛くなかった」とおっしゃっています。局所麻酔ですので手術中にもお話ができます。
- 手術時間:手術の内容により30分~2時間程度です。
- 手術後:止血を確認し、すぐに帰宅できます。
- 帰宅後:術後3~8時間程度で局所麻酔が切れてきて痛みや多少の出血が始まります。鎮痛薬を服用していただき安静に過ごしていただきます。
手術翌日(術後1日目)
朝に来院していただき、術後の辛さの原因となっている鼻に詰めたガーゼをほとんど抜去します。これにより頭重感などは軽減します。その後は自宅で安静に過ごしていただきます。
手術翌々日(術後2日目)
自宅でお過ごしすることをお勧めします。鼻閉(鼻詰まり)は継続しますが痛みは軽減します。自宅での簡単な仕事は可能です。
術後3日目
- 来院していただき術後の状態をチェックします。鼻内に詰めたガーゼやスポンジをすべて抜去し、鼻腔洗浄の方法をご説明します。
- 手術直後ですので鼻閉は続きますが、肉体労働でなければ仕事は可能です。
術後の通院
- 翌週は1~2回。その後1か月間は週1回程度の通院です。
- 術後1ヶ月以上を経過して鼻の傷が修復されてくれば2週間に1回程度の通院です。
- 術後3ケ月程度は通院していただくことをお勧めします。
術後の経過について
- 術後2週間は、鼻の粘膜が腫れて鼻水も多くなるために鼻づまりが続きます。
- 術後2週間以降は少しずつ鼻が通るようになりますが、嗅覚が回復するには1~2か月以上かかります。
- 鼻内の傷が完全に修復されて鼻粘膜が安定するのには2~3ヶ月を要します。
手術費用について
すべての手術は健康保険が適用され、厚生労働省が定めた手術費用は以下になります。
※高額療養費制度について(患者様の年収によって一月分の医療費の上限金額が決まっております)
※下記の費用には、麻酔薬、点滴薬、医療材料等の費用は含まれておりません。
内視鏡下鼻副鼻腔手術
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅰ型(副鼻腔自然口開窓術)(一側) | 3割負担 | 10,800円 |
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内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅱ型(副鼻腔単洞手術)(一側) | 3割負担 | 36,000円 |
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)(一側) | 3割負担 | 74,730円 |
内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術)(一側) | 3割負担 | 96,240円 |
鼻中隔矯正術
鼻中隔矯正術(一側) | 3割負担 | 24,690円 |
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内視鏡下鼻腔手術
内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型(粘膜下下鼻甲介切除術)(一側) | 3割負担 | 23,820円 |
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※申し訳ありませんが、当院ではクレジットカードのお支払いをお受けしておりません。現金でのお支払いとなります。